1910-20's "N.Y." Glass Liquid Soap Dispenser

1910〜20年代アンティークのガラス製"液体石鹸用"ソープディスペンサーです。当時は他にも食器洗剤用としても使用されていたようです。ポンプ式と違い、片手での動作になりますので便利です。

フレームやパーツ類は全て真鍮製でメッキ仕上げ、球体の部分は肉厚のガラスで出来ており（底部は重みを増す為さらに肉厚）、ニューヨークの生産会社名がエンボスマークで入っております。
【TILT HERE】と刻印が入ったタブを指先で押し下げると先端から『ピピピピピピッ』と石鹸が出るようになっております。手で傾けている画像では水を入れて撮影致しました。先端にご注目下さい。
基本的には希釈するタイプのサラサラ系の液体石鹸向きですが、食器用洗剤『ジョイ』の原液で試しましたところ、問題無く出ました。その際の出方は、ちょうど先細キャップのハチミツのような感じでトロトロ出ます。

ボディ（球体）の反転の際に、内容物の粘度（キレ具合）によっては、キャップ付近に多少付着したりしますが、いずれに致しましても水場で使用するものなので "気が向いた時にさらっとクリーニング程度" かと思います。

ホームセンターでは天然素材を使用した石鹸など様々な物がございます。

■CONDITION■
球体の中は洗浄済みですが、経年使用の頑固な石けん残りが内側にございます。最後の画像は水を入れた状態と"Dried"と記した完全乾燥後の同じ箇所を上下で組みました。
完全乾燥後は"石けん残り"が白く浮き出てしまい見栄えが悪いですが、水を入れると特に目立たなくなります。
日常使用の場合は、残量が少なくなっても密閉状態なので、内部は蒸れて水滴状態になったり、湿気がございますので"石けん残り"がある程度透明のまま、画像の状態になるには夏場でもかなりの日数がかかります。（分解画像は水が半分抜けた状態です）他にも経年のメッキ剥げやくすみなどございます。

液体の補充は、大きいキャップの方（元々防水密閉の為開きません）ではなく、その上にある小さい真鍮パーツを取って行います。直径13mm程の狭い穴になります。補充が終わったら、真鍮パーツを"軽く"閉めて下さい。
当時の人は毎回"力任せ"に閉めたのか、開ける際に使用したと見られるプライヤー痕が無数についております。
内容量は340ccほどになりますので、補充用容器を用意しておくと便利です。

設置状態 SIZE H:12cm×W:11.5cm×D:15cm[←TILTタブ端まで]
球体のみ SIZE H:12cm×W:9.5cm×D:9.5cm